まなびとさんになる

「今」が辛いと思う不登校のお母さんへ

— 明日が怖かった、あの日の私より —

もし今、あなたが
「明日が来るのが怖い」
そう感じているとしたら——

私は、その気持ちが痛いほどわかります。
なぜなら、かつての私が、まさにそうだったから。


ずっと、ひとりで頑張ってきたあなたへ

外では、なんとか口角を上げて。
笑顔で、他の子どもの前では“ちゃんとしたお母さん”を演じていた。
でも、車の中で一人になると、涙が勝手にあふれて止まらなかった。

「なんでうちの子が…?」
「なんで私だけが、こんなに…?」

誰も悪くないのに、その気持ちのやり場がなくて、
最後はいつも、自分を責めるしかなかった。

「私の育て方が悪かったのかな」
「私のせいだったのかな」

病院でも、カウンセラーの先生からも言われる。
「子どもを責めないでください」
「子どもの前では、笑顔でいてくださいね」

——でも、その言葉が私を追い詰めた。
“親は、誰が助けてくれるの? 親だって弱いよ”
同じように限界に来ていたのに。


限界の先に、あったもの

涙を隠して、怒りも抑えて、優しく接しようとする。
けれど、それすらできなくなる日がやってくる。
心が、壊れていた。静かに、確かに。

我慢と忍耐の先にあったのは、
絶望と、無力感。


家に大人は、私ひとりだけだった

夫は単身赴任。
電話の向こうから「大丈夫だよ」としか言わなかった。
寄り添ってくれていたのかもしれないけれど、助けにはならなかった。
平日の昼間。
不登校のわが子と私だけの空間で、孤独が音を立てて積もっていった。

時々帰ってきて、今までと変わらずリビングでTVを見たりする、
「優しく子どもに接してくれる」その姿でさえ、
無関心なのかも、と疑ってしまう自分がいた。

24時間、子どもと向き合っている私。
あなたは苦しまないの?と理不尽に苛立つ自分自身も嫌だった。
父と子の板挟みにはならなかったけれど、
“孤独な母親”という現実は、変わらなかった。


母ひとりにのしかかる現実

  • 学校とのやりとり
  • 書類のやり取り
  • 新い治療や病院を探す
  • 登校できる日には送迎と付き添い
  • 朝ごはん、昼ごはん、晩ごはん、そして夜食
  • 不登校に関する情報収集
  • 他の子どものサポート
  • 家事のすべて

仕事がある人は、どうやって働いているんだろう。
みんな仕事辞めてしまうのかな?
小さい下の子がいる人もいるかもしれない。

そうやって、もっと辛い人を考えていたりもした。
自分よりもっと酷い人も頑張っていると思わないと
やっていられない日々。

普通に学校へ行っている子の生活を守るので精一杯
そんな日々のなかで、
「私だって起きたくない」「誰にも会いたくない」
そう思った朝も、何度もありました。


正直に言います。
一人では、抱えきれない。


頑張り屋さんほど、倒れてしまう。
本当に、心が壊れてしまうこともある。


でも、今の私が、生きてこれたのは
子どもの存在があったから。
別の子どもを通して、社会とつながらざるを得なかったから。
その日々が、私を引き戻してくれました。


だから、今あなたに伝えたいことがあります。


1. 「今」にこだわりすぎないこと。

「早く社会に戻ってほしい」と願う気持ちもわかる。
でも、焦らずに、そのタイミングが来るのを一緒に待ってあげてほしい。
この時期の一年の大切さは、ものすごくわかる。でも、今じゃないのかもしれない、人生100年もある。だから「今」だけにこだわらないでほしい。


2. でも、諦めないこと。

「生きていてくれて、ありがとう」
その気持ちを、まず大切にして
未来が明るいと、信じ続けること。
大人が模索し続ける姿を、子どもは見ているから。
動いていると、何かに必ずぶち当たるから。


3.子どもは子どもの人生。あなたにも人生がある。

「学校に行けるようになること」を、あなたの人生の目標にしないで。

わが子の不登校は、あなたの失敗じゃない。
子どもには子どもの人生があり、
あなたには、あなたの人生がある。

まずは、あなたが、先に笑顔になること
それは、子どものことではない、自分のことで笑顔になる

——それができなかった私だからこそ、今、こうして伝えたいんです。


子どもは、親を育ててくれる存在でもある

私は、子どもの不登校をきっかけに、
“親として”たくさんのことを学び、育てられました。
苦しかったけれど、それも大切な時間だった。そして今もなお、学び中。

子どもも、親も。
自分をどうやって笑顔にしていくのか。
今、きっと私たちは、その問いを生きているのだと思います。


だから、大丈夫。

一緒に、待とう。
一緒に、もがこう。
あなたは、ひとりじゃないから。