まなびとさんになる

理科の授業と、あのときの記憶。

最近、我が子が動き出しました。
通信制高校の全日制に通い始めて、今のところ、毎日登校しています。

家を出るときは、毎朝 写真を撮ります。
「今日も行けた」
その事実が、すごいことなんだと、改めて思うのです。

すごく頑張ってる。
というか、怖いくらい頑張りすぎてる。
見ていて、辛くなるほどに。

そんな中、参観日がありました。
なぜか3年前と同じ、理科の授業。

思い出しました。
3年前のあの日も、理科の授業でした。

授業中、眠くて何度もコックリコックリ。
途中、手の甲にシャーペンを刺して起きようとしていた娘。
あのとき私は、
「よくあんなに保護者がいる中で眠くなるねぇ」
なんて、のんきに笑っていた。

でもその1週間後から、
娘はほとんど起き上がれなくなりました。

眠いんじゃなくて、
起きていられない——そんな日々の始まりでした。

あの頃、ちょうど今頃の季節。
バタッと倒れ、半年ほど寝たきり。
一日にトイレに行く5分しか、起きていられなかった。

私は日中、意識のない娘の足をマッサージしながら、
ずっと泣いていました。
時々、「やめてぇ〜」とだけ声が返ってくるのを聞きながら。

だから、今回の授業中、
記憶が重なって、涙が止まらなくなって、
私は途中で教室を出てしまいました。

理科の授業なんて、
ちょっと、酷だよね。

あとで「どうだった?」と聞かれて、
「ごめん、仕事の電話で出てたの」とだけ言いました。

本当は、
「すごく頑張ってるね」って言いたかった。
でも、頑張りすぎてる今が、怖くもある。

だから朝、
「学校行きたくないなぁ」と言われると、
「行かなくていいよ」と言いたくなる自分がいます。

「がんばれ」って、どうしても言えない。
本人は「黙って聞いててくれたらいいよ」と言うけれど、
あの頃のことを思い出すと、
今の“笑って美味しいものが食べられる日々”が、
また奪われるのが、正直、こわい。

何が正解なのかなんて、
まだまだわからない。
でも、大学に行きたいという本人の意思は、
尊重してあげたいと思っています。

…なんだよ、起立性調節障害って。
はやく治療法、見つかってよね。

そんなことを思った、6月です。